第76回富山眼科集談会 ミニ発表
- 開催日:2017年5月21日
- 開催場所:富山国際会議場
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演題 富山県における2016年度献眼実績報告 演者 小西幸恵(富山県アイバンク)
入江真理(富山県アイバンク)
林 篤志(富山大学医学部眼科)
発表スライド
富山県アイバンクでの、2016年度献眼実績を報告する。
【 対象】
2016年度1年間の献眼登録者、献眼者、移植者が対象。
登録者リスト、眼球摘出記録および移植記録をもとにして調査。
1.登録者
2.献眼者
3.移植者
4.強膜移植
の4点について、報告する。
◆登録者◆
年間の登録者は全体で188名で、前年度より減少した。
[登録者の性別]男性が女性より多い割合だった。
[年代の分類]60代の登録数が一番多かった。
◆献眼者◆
昨年度の献眼者は30名でした。
2012年度の、過去最高献眼数37名の次に多い年度となった。
[献眼に至った経緯]医療従事者による口頭での意思確認と、家族による申し出が多かった。
[献眼者の性別]男女比は、ほぼ同数となった。
[献眼者の年代]最高齢は98歳で、平均年齢は73.6歳で例年より低くなっている。
[献眼者の死因]悪性腫瘍・心不全・肺炎が多いことは例年通りだった。
[眼球摘出場所]ほとんどが医療機関での摘出となった
[摘出眼の内訳]2016年度の摘出眼数は、60眼だった。 内、53眼は移植にもちい、また、7眼は、新鮮眼あっせん不可であったので保存。 53眼中、2眼は平成29年度の移植にもちいた。
[摘出眼の角膜内皮細胞密度] 摘出した眼のうち、内皮細胞密度測定を行った、60眼が対象。 対象となった献眼者の年齢は、39歳から96歳、平均73.6歳だった。 角膜内皮細胞密度は、1,101セル/㎟から3,922セル/㎟、平均2,760セル/㎟だった。高齢であっても移植には十分使用できた。
◆角膜移植者◆
2016年度の角膜移植者は述べ61名だった。
[角膜移植者の性別]ほぼ同数だった。
[角膜移植者の年代]70歳以上の移植者が、一番多かった。最年少は6歳、最高齢は98歳、平均年齢は、67.9歳だった。
[角膜移植者の疾患] 水疱性角膜症が最も多く、18人だった。 ついで角膜穿孔が11人となっている。
[角膜のあっせん施設]富山県アイバンク医学基準を準拠して、あっせんをしており、富山大学附属病院が、最多の20眼だった。 新鮮で移植できる角膜は、全て新鮮で移植にもちいる。
◆強膜移植者◆
2016年度の強膜移植者は63名だった。
[強膜移植者の性別]男性43名・女性20名と、男女比は2:1だった。
[強膜移植者の年代]60歳以上の移植者が、80%だった。 最年少は39歳、最高齢は93歳、平均68.2歳だった。
[強膜移植者の疾患と術式]63例中、すべて緑内障のインプラント挿入術(プレートのあるもの)にもちいられた。
【まとめ】
富山県アイバンクにおける、2016年度の登録者は188名だった。 献眼者は30名、移植者は61名で、また、強膜移植は63例行われた。 献眼者数はゆるやかな増加傾向にあり また強膜移植も増加傾向にある 県内の角膜移植待機患者を減らすため、献眼の意思をいかせるよう、ドナー並び、ご家族の献眼の意思を尊重しながら、医療機関での選択肢提示が出来る体制整備の構築に勤めていきたいと思う。
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